熱中症の対処法

学び

熱中症で怖いこと

暑いときに気をつけなければいけないのが熱中症。

救急外来では、暑くなると熱中症の患者さんが来ます。

Ⅰ度であれば腋窩や頸部など大きな血管が通っている場所を冷やす、電解質と水分を補給する、などの対処で済むかと思いますが、Ⅱ度以上の症状があれば病院での治療を要することが多いです。

Ⅰ度であっても、口から水分を取ることができない、とか、自分的にとんでもなくつらいと思えば病院へ行ってください。

熱中症は軽んじられない、死に至ることもある症状です。

また、熱中症で怖いのは、めまいや失神が起きた時に転倒してしまうことです。

頭をぶつけたり、骨折なんてこともあります。

特に高齢者であれば頭をぶつけることで慢性硬膜下血種になったり、大腿骨を骨折して寝たきりになってしまったり、かなりADLが下がってしまう原因にもなります。

くれぐれも熱中症対策を忘れずに。

なぜ熱中症になるのか?

上の図より、熱中症は3つの段階に分けられます。

では、なぜ熱中症になるのでしょう??

まず、人間のからだの中では生きている限り熱が作られます。(筋運動や基礎代謝による)だから人間って温かいのですね。

その作られた熱は放出もされています。これを熱放散と言います。(発汗、不感蒸泄などによる)

そうでないと熱がからだの中にどんどん溜まっていきますからね。

ところが、このバランスがなんらかの原因で崩れ、熱産生方向に多く傾いたときには、体温が上昇しすぎてしまうのです。

これが熱中症です。

なぜ症状が出るのか?

体内で発生した熱は血液に移行し、体表面により近い毛細血管から熱を放出しようとします。

体表面にある毛細血管に血液が集まるということは中枢にある血管の血流量が低下するということですね。

脳への血流が減ると脳虚血となり、めまいや一過性の意識消失が起こることになります。

大量の発汗があると水分だけでなくNaやKなどの電解質を失うことにもなります。

筋肉は電解質により運動しているため、電解質バランスが崩れることで筋肉痛や筋けいれんが起こるわけです。

これらが進行するに従って中枢神経症状(脳の症状)や脱力感(筋肉の症状)が強くなっていきます。

熱中症の対処法

では、どう対応すればよいのでしょう。

まずは熱中症にならないように気をつけましょう!

熱が溜まっていくことに対しては、暑いなと思ったらエアコンをつける、

涼しい場所へ行く、冷感グッズを使用する、など対策しましょう。

普通のことですが。

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電解質の補給も十分にいたしましょう。

昔から言われているのはポカリスウェットですが、近年ではいろんな種類のスポーツドリンクがあるのでいろいろ試してみるのもよいでしょう。

スポーツドリンクは電解質だけでなく糖質も多く含まれているので糖尿病の方などは摂取し過ぎにも気をつけなくてはいけません。

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